History 司法試験の軌跡

司法試験のスタート戦略を組み直した記録【摩擦を最小限にする進め方】

1週間後に最短での司法試験合格戦略を組み直した理由

結論から言うと、最初に注文した本を受け取ってすぐに司法試験学習のスタート戦略を再設計しました。

司法試験合格に向けて「最初に選ぶ本」という観点から、司法試験最短最小努力での合格を目指す設計をしました。

司法の視点から、前提・判断・評価の構造そのものを言語化するフレームワークを作っている段階で戦略を変更する必要性を感じたのでその記録を残します。


スタート直後に見えた本当の課題

学習を始めてすぐに気づいたのは、知識量や理解力よりも、もっと根本的な問題でした。

それは、
「判断基準がまだ存在していない状態で勉強を始めてしまうこと」

  • どこまで理解すれば十分なのか
  • これは今やるべきことなのか
  • この作業は将来どこにつながるのか

この判断軸がないまま真面目に勉強すると、正しいことをやっているのに、消耗だけが進みます。

そこで、スタート戦略改訂の目的は、この状態をできるだけ早く抜けることに置くことにしました。


今回のスタート戦略で最優先したこと

今回、戦略を組み直す際に最も重視したのは一点だけ。

理解を深めることより、判断できる状態を先につくること。

司法試験は知識試験に見えけど、実際には以下を判断できるかどうかで、学習効率が大きく変わります。

  • どこが争点か
  • どこを落とすと致命的か
  • 逆に、どこは後回しでよいか

そのため、スタート段階では「分かる」より「位置づけが分かる」ことを優先するべきだと考えました。


現時点で採用しているスタート戦略(構造)

いま採用している進め方は、次の3点に整理できます。

この3点を行き来しながら、「いまやっている勉強は、どこにつながっているか」を常に確認するように学習プランを再設計しました。

① 全体像を浅く把握する

  • 法体系や試験構造を、完璧に理解しようとしない
  • 科目の役割と位置関係が分かれば十分

② 早い段階で試験の出題イメージに触れる

  • 論文・短答の過去問は「解く」前に「眺める」
  • 試験が何を評価しようとしているかを先に知る

③ 条文は覚えにいかず、慣れる

  • 正確な暗記は目的にしない
  • 条文の構造・言い回し・配置に身体を慣らす


最初に購入した本

このスタート戦略は、以下の書籍を軸に組み立てています。


いずれも、最初の記事で紹介していますが、どの役割で使っているか を改めて明示して、新しい戦略で購入した本を記録します。

『日本の法[第3版]』

法律の世界全体を把握するための「見取り図」の使用目的。

  • 各法分野の役割
  • 法体系の構造
  • これから学ぶ内容の配置

『ポケット六法』

条文に「慣れる」ための道具で、暗記目的ではなく、参照と確認のために使います。

  • 条文番号を見たら必ず引く
  • 要件と効果の構造を確認する
  • 判例と条文を行き来する

論文過去問(再現答案集)

試験官の視点に触れるための教材で、「読む」ことで、インプットの方向性を定める目的です。

  • 合格答案の構造
  • 出題趣旨との対応関係
  • 評価される書き方

短答過去問(基本7科目)

問われる知識の範囲を把握するためのツールで、以下を見極めるために使います。

  • 頻出論点の輪郭
  • 科目ごとの比重
  • 深追い不要な領域

新戦略で重視した目的

新戦略では以下を重視しました。

  • 法律を「感情処理の道具」ではなく「構造を整えるためのルール」として理解する
  • クレームや紛争が生まれる前段階で起きている前提や判断のズレを言語化する
  • 専門家が一瞬で要点を抜き出す思考フレームを身につける

新しく選び直した初学・独学者用書籍

今回紹介する書籍は、法律知識を増やすためのものではありません。

なぜ人は納得できず、
なぜ専門家の説明が「冷たい」と感じられ、
なぜクレームが生まれるのか。

その構造を、当事者の感情ではなく、制度設計の側から理解するための教材として3つを選びました。

  • 判例集→ 実務・試験・学説の共通言語になる判例が選ばれている本
  • 各論本→ 判例集を横断する「評価構造」を教えてくれる本
  • Cシリーズ(試験対策本)→ さらに試験用に研ぎ澄ました判例を検証するための本


新標準講義 民法 債権各論

位置づけ
民法各論(契約・不法行為・医療過誤・売買・賃貸借などを横断)

この本を選んだ理由
条文ベースで構成されている一方、抽象論に寄りすぎず、典型事例と制度趣旨が同時に整理されています。
結論を覚えるための教材ではなく、「なぜその結論になるのか」という構造を掴む訓練に向いている点を評価しました。

生活やビジネスへの転用
感情ではなく、どの法益を守るためのルールなのかという視点で事案を切り分ける思考の土台になります。
クレームや紛争が起きる構造を、当事者側ではなく制度設計の側から理解するための基礎として位置づけています。


民法判例集 債権各論

位置づけ
判例ベースの実践理解用教材

この本を選んだ理由
結論の暗記ではなく、争点がどのように整理され、裁判所がどの評価構造を採用したのかに焦点が当てられています。
「どちらが可哀想か」ではなく、「何を守るべき法益と見たのか」を読み取る練習に適していると判断しました。

生活やビジネスへの転用
説明した側・された側の感情と、法的判断が分離される瞬間を具体的に体感できます。
なぜ当事者が納得できないまま紛争が長期化するのか、その理由を制度側から理解するための素材です。


C-Book 民法IV〈債権各論〉 (司法試験&予備試験対策シリーズ)

位置づけ
理解確認・アウトプット用教材

この本を選んだ理由
初学者でも思考の流れを崩さずに取り組める構成で、知識量の多さよりも判断プロセスの確認に主眼が置かれています。
「分かったつもり」を防ぐためのチェック用教材として適していると感じました。

生活やビジネスへの転用
理論を読むだけで終わらせず、
条文 → 事実 → 結論
という往復運動を作るための補助教材です。
構造理解を「使える形」に落とす役割を担っています。


この戦略は今後も固定しない

この戦略は、正解として固定するものではないし、将来、次の変化が起きたらまた見直します。

  • 条文を見た瞬間に論点が自然に浮かぶようになったとき
  • 過去問を見て、構造が迷わず追えるようになったとき
  • 勉強時間より集中力が課題になり始めたとき

このいずれかが起きたら、スタート戦略は次のフェーズに進めるつもりです。


司法試験で目指す前提を忘れずに。手段は柔軟に。

司法試験の勉強は、正解のルートを探す作業ではなく自分が判断し続けられる状態を設計する作業です。

この記事は、そのために一度立ち止まって戦略を言語化した記録。

Judicial Journey は、合格までの一本道ではなく、判断と修正の履歴そのものとして残していきます。

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